むこと。
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 九月廿四日[#「九月廿四日」に二重傍線] 秋晴。

弱者の悪、痴人の醜を痛感する。
思索、批判、統制が足らない、厚顔無恥、そして無能無力だ!
終日怏々。
愛想が尽きたか! 未練はないか!
甘えるなかれ[#「甘えるなかれ」に傍点]、甘やかすなかれ[#「甘やかすなかれ」に傍点]。
濁貧[#「濁貧」に傍点]! 矛盾地獄[#「矛盾地獄」に傍点]! 孤独餓鬼[#「孤独餓鬼」に傍点]!
流れるままに流れろ[#「流れるままに流れろ」に傍点]、なるやうになれ[#「なるやうになれ」に傍点]。
空は高い、私は弱い!
死ぬるまで生きてをれ[#「死ぬるまで生きてをれ」に傍点]!
現実の夢か、夢の現実か。
苦悩は踊る[#「苦悩は踊る」に傍点]!
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△反省[#「反省」に傍点]、それは弱者の唯一の武器だ。
△太陽を仰いで孤独を味ふ。
△愚人、悪人、小人、狂人、――私はそのいづれぞ。
 私は私の愚[#「私の愚」に傍点]を守らう、守りたい。
△疣[#「疣」に傍点]、瘤[#「瘤」に傍点]、癌[#「癌」に傍点]。
 どうか社会の疣でとどまりた
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