たし。
やうやく花茗荷が咲いた。
蚊帳を仕舞ふ、冬物の用意はどうぢや、質受をいそがないと風邪をひくぞ!
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三界万霊
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九月十九日[#「九月十九日」に二重傍線] 曇。
秋風、間違なく秋風。
子規忌、子規逝いて何年、年々鶏頭は赤し。
花めうが[#「花めうが」に傍点]匂ふ、それはあまりに独善的な。
身辺整理、日記も書き改めるし、浴衣も洗濯しました。
茶の木がもうかたいつぼみを持つてゐる。
たよりいろ/\、ありがたし/\。
昼飯をたべてゐるところへNさん来訪、何もないからいつしよに近郊散策、そのまゝ別れた。
二人のなまけもの[#「二人のなまけもの」に傍点]! わるくない題号だね!
今日の散歩はNさんが青唐辛を貰つてくれた、帰庵早々佃煮にしてをく。
左の太腿が痛い(昨日から)、そろ/\ヤキがまはつてもいゝころだ。
かへつてぼんやりしてゐると、樹明君から来信、今日は御案内があるべきだらう、云々、御案内しようにも出来ませんよといふ。
酒屋が酒を持つてくる(樹明君を通してSさんから)、樹明君が下物をぶらさげてくる。
夕焼がうつくしい。
三人で飲む、食
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