、極上焼酎を買ふ、とても強烈でヂン以上だ。
今日から湯田競馬、フアンといふよりも慾張連中が新国道を自動車で狂奔する。
私はゆうぜんとして飲み、とうぜんとして酔ふ。
火酒の味!
樹明君から来信、今夜は宿直だから久しぶりにゆつくり飲まうといふ、暮れてから出かける、鶏肉はうまかつた、IさんJさんも仲間入する。
ほろ/\とろ/\、そのまゝ泊る、昨夜ねむれなかつたので、今夜はよくねむれた。
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「いかに酔ふか」も緊急事だけれど「何に酔ふか」が最初の問題だ。
酒に酔ふか、よろしい、飲みなさい、恋に酔ふか、よろしい、可愛がりなさい。
銭がありますか、女がゐますかよ、よろしい、よろしい。
泥沼を歩きなさい、そして死んでしまへ!
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九月十一日[#「九月十一日」に二重傍線] 曇。
朝飯をよばれてから帰る。
雷雨、痛快だつた。
ある手紙、それは予期しないではなかつたが、やつぱりかなしいさびしいものであつた。
腹工合がよくない、昨夜の食べ過ぎがたゝるのである、過ぎたるは及ばざるに如かず、まつたくその通り。
夜は例の如き彷徨[#「彷徨」に傍点]、有金全部をはたい
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