下げ]
私の買物――
一金十五銭 石油三合
一金 四銭 なでしこ小袋
一金 九銭 醤油三合
一金十五銭 ハガキ十枚
[#ここで字下げ終わり]
十二月十四日[#「十二月十四日」に二重傍線] 晴――曇。
何といふ温かい冬だらう、昨年の今頃をおもひだす、ちようど生野島の無坪居に滞在してゐたが、ほんたうに寒かつた、動けないほど寒かつた。
歯齦がだん/\かたくなつて、ぬけた歯の代用をするやうになつた、生きもののからだといふものは、まことによく出来てゐる。
障子をすつかりあけはなつ、さてもうらゝかな冬景色!
寒菊のうつくしさ、藪椿のうつくしさ。
澄太君からの伝統[#「伝統」に傍点]、比古君からの手紙を読む。
ほんにまつたく無一文となつた! めづらしいことではないが。
晩飯は大根粥、おいしかつた。
ゆたかに炭火がおこるよろこび!
今夜も睡れないで、とりとめもない事をぼんやり考へつゞけた。
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※[#二重四角、365−7]あるべきものがある[#「あるべきものがある」に傍点]といふことは何といふよろこびだらう。
※[#二重四角、365−8]わいてあふる
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