福々々、感謝々々。
酒を持つて来てくれない、忘れたのか、信用がないのか、どちらにしてもその事実は私をさびしがらせる。
――いはでものことをいふな[#「いはでものことをいふな」に傍点]、昨日、或る人間に対してさう感じた、今日また嫌な彼に出逢つた。
藪椿を一輪見つけて活ける、よいな、よいな。
娘の子は可愛いな、ことに彼女は!
午後は街へ出かける、油買ひに、――途中、農学校に立寄る、樹明君は日曜だから、もう帰宅したさうな、逢つて、昨夜の事を語り、宿直に招かれてゐたお礼をいひ、そしてまた武二招待会について相談したかつたのだが。
ぶら/\歩いてゐるうちに、畑の野菜の美[#「畑の野菜の美」に傍点]にうたれた、野菜のやうな美しい句が作りたいと思つた。
夕方、待つてゐた通りに樹明君来庵、幸に鮒が貰つてあるので一杯やらうといふので、私は街の酒屋へ一走り、君は残つて料理する。……
うまい酒だつた、うまい鮒だつた、まことによい酒盛であつた、めでたしめでたし(樹明君万歳!)。
覚えずうたた寝して飯を焦がしてしまつた、焦げた飯もうまいものだ。
ぐつすり寝たが、明け方に眼が覚めて物思ひに耽つた。
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