中に真実を探しあてる外ないでせう。……
私は幸福[#「幸福」に傍点]ではないかも知れないが、不幸[#「不幸」に傍点]ではない(私自身は時々幸福と思ふたり不幸と考へたりするが)。
近眼、老眼、どちらも事実だ、そして近眼と老眼とがこんがらかつて、老近眼[#「老近眼」に傍点]とでも呼びたい事実だ。
[#ここで字下げ終わり]
十一月廿八日[#「十一月廿八日」に二重傍線] 曇――晴。
熟睡したので気分快適、二人いつしよに楽しい朝餉を味ふ。
敬君は九時のバスで山口へ、午後には帰つて来るとはいつたけれど、どうなるものやら。……
おちついてしづかなるかな。
今日は陰暦の十月十五日、宮市天満宮の神幸祭である、追憶果てなし、詣りたくてたまらないが、質受が出来ない、小遣がない。
街の風呂にはいる、冬村君に出くわす、天満宮へ詣るといふ、嫌になつて※[#「勹<夕」、第3水準1−14−76]々帰庵。
めづらしく遍路爺さんがやつて来た、一銭あげる、この一銭も今の私には大金だ!
敬君はたうとう帰つて来ない、はて、どこに沈没したかな。
暮れてから農学校の宿直室へ、酒とうどんの御馳走になる、樹明君はあまり飲まない、
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