ちぼけだつた、敬君も来なければ樹君も来なかつた。
[#ここから2字下げ]
・雑草のしたしさは一人たのしく
・梅雨の水嵩のあふれるところどぜうとこどもら
・ほのかに梅雨明りして竹の子の肌
・へんぽんとして託児所の旗が、オルガンがうたふ
 枇杷のうつくしさ彼女は笑はない
・あれから一年の草がしげるばかり
[#ここで字下げ終わり]

 六月二十四日[#「六月二十四日」に二重傍線] 降る、降る、降れ、降れ。

終日閉居、読書三昧。
今日もMさんが来た、そして句作を初めた。
酒を飲んで酔ふことは悪くないが、酔ひたい気分で酒を呷ることはよろしくない。
酒を尊重せよ、自分の生命を尊重するよりも!
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
   ぐうたら手記
すなほに[#「すなほに」に傍点]。――
行住坐臥、いつでも、どこでもすなほに。
善悪、生死、すべてに対してすなほに。
純なる熱情[#「純なる熱情」に傍点]、唯一念[#「唯一念」に傍点]を持して。
芸道[#「芸道」に傍点]といふことについて。――
執着[#「執着」に傍点]を去れ、酒から作句から、私自身から。
すなほに受け入れる心[#「受け入れる心
前へ 次へ
全186ページ中89ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング