り]

 六月十七日[#「六月十七日」に二重傍線] 曇。

昨夜の豪雨も今日の晴曇も解らないほど飲んで飲んで、そして倒れた。

 六月十八日[#「六月十八日」に二重傍線] 晴。
 六月十九日 曇。
 六月廿日 雨。

ぢつとして読書。
ぼう/\ばく/\!
もう虫が鳴く、虫の声は身にしみる、虫のいのち、虫のうた。……
[#ここから3字下げ]
    ×
私の詩[#「私の詩」に白三角傍点]
[#ここで字下げ終わり]

 六月二十一日[#「六月二十一日」に二重傍線] 雨、梅雨らしく。

早起きして身辺整理。
けふもぢつとして読書したり句作したり。
何といふ嫌な夢[#「嫌な夢」に傍点]だつたらう、それはヱロでもグロでもなく、あまりになま/\しく現実的だつた。
私はがくぜんとして自分を省みた、そして恥ぢた、何といふ醜い私[#「醜い私」に傍点]だつたらう。
[#ここから2字下げ]
・水かげも野苺のひそかなるいろ
・おちてしまへば蟻地獄の蟻である
・雑草につつまれてくちなしの花は
・赤いのはざくろの花のさみだるる
・とても上手な頬白が松のてつぺん
・草を咲かせてさうしててふちよをあそばせて
 赤蛙さ
前へ 次へ
全186ページ中87ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング