値を併せ有する作品としては芭蕉、啄木、前者の例は乙二、牧水、後者のそれは子規等。
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 六月九日[#「六月九日」に二重傍線] 快晴。

食べること少くして思ふこと深し。
学校に樹明君を訪ねて、米と煙草銭とを貰うてくる、その十銭白銅貨二つをいかに有効に費つたか――
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九銭 ハガキ六枚
四銭 なでしこ一袋  残金四銭は明日の煙草代として
三銭 風呂銭
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独奏[#「独奏」に傍点]――今日はこんな気分だつた、私自身も、蝶々も雑草も。

 六月十日[#「六月十日」に二重傍線] 晴。

何となく雨の近いことを感じる、梅雨の前の大気とでもいふのであらう。
しづかなるかな、山の鴉があはれつぽい声で啼く、――ヤアマアノカアラスウモタアダヒトリ。
身辺整理、といふよりも身内整理。
清閑貧楽[#「清閑貧楽」に傍点]ともいふべき一日だつた。
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   松笠風鈴を聴きつつ
・風鈴鳴ればはるかなるかな抱壺のすがた
・やもりが障子に暮れると恋の場面をゑがく
・たたへた水のをり/\は魚がはねて
・柿の若葉に雲のない昼月を添へて

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