・麦田うつ背の子が泣けば泣くままに
 暮れてひつそり雪あかり月あかり
・月がうらへかたむけば竹のかげ
・雪ふる食べる物もらうてもどる
   農村風景の一つ
・梅がさかりで入営旗へんぽんとしてひつそりとして
   悪友善友に
 わかれてひとり、空のどこかに冷たい眼
[#ここで字下げ終わり]

 一月十七日[#「一月十七日」に二重傍線] 雪がうつくしい、ふつてはきえる。

朝早くから今日も雪見酒、もつたいない仕合せである。
雪のふりしきる中を街のポストまで。
今日の買物は――餅、うどん、パン、いなり鮓!
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   ぐうたら手記
□佃煮と老境と日本的なもの[#「日本的なもの」に傍点]。
□豚の生活、食べて、そして食べられるだけ!
□写生[#「写生」に傍点]――文字通りに――イノチヲウツス[#「イノチヲウツス」に傍点]。
□忌花の話[#「忌花の話」に傍点]。
※[#二重四角、265−2]何よりも不自然[#「不自然」に傍点]がよくない、いひかへれば生活に無理[#「無理」に傍点]があつてはいけない、無理があるから不快[#「不快」に傍点]があり、不安[#「不安
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