なものだらう。
□苦しいから生きてゐるのかも知れない、なやみがあるから生甲斐を感じるのかも知れない。
□いのちはうごく[#「いのちはうごく」に傍点]、そのうごきをうたはなければならない。
□雑草! 私は雑草をうたふ、雑草のなかにうごく私の生命、私のなかにうごく雑草の生命をうたふのである。
雑草を雑草としてうたふ[#「雑草を雑草としてうたふ」に傍点]、それでよいのである、それだけで足りてゐるのである。
雑草の意義とか価値とか、さういふものを、私の句を通して味解するとしないとはあなたの自由である、あらねばならない。
私はたゞ雑草をうたふのである。
[#ここで字下げ終わり]
四月七日[#「四月七日」に二重傍線] とてもよいお天気、しかし寒い々々。
水をくんでおいて帰る黎々火君よ。
鶯が、四十雀がほがらかに啼く。
黎々火君は八時の汽車で帰つていつた、別れて一人となるとひとしほうすら寒い、山の鴉が出てきてさわぐのも何となくうらさびしい。
今日は今年の花見の書入日第一の日曜だらう。
私にしてもぢつとしてをれない日だ。
どこといふあてもなく歩いた。
我人ともになつかしい。
さくら、さくら
前へ
次へ
全186ページ中53ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング