ねあがつてたゞよふリズム[#「はねあがつてたゞよふリズム」に傍点]であると思ふ。
 (井師は、短歌をながれてとほるリズム[#「短歌をながれてとほるリズム」に傍点]、俳句をあとにかへるリズム[#「あとにかへるリズム」に傍点]と説いてゐる。)
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 四月四日[#「四月四日」に二重傍線] 雨、花が散つて葉が繁る雨だ。

身辺整理、しづかに読書。
雨の音は私の神経をやはらげやすめてくれる、雨を聴いてゐると、何かしんみりしたものが身ぬちをめぐつてひろがる。……
死をおもふ日だ[#「死をおもふ日だ」に傍点]、疲労と休息とを求める日だ。
夕方、どてらでゴム靴をはいて、まるで山賊のやうないでたちで駅のポストまで出かけた。
酒三合、飯三杯、おいしくいたゞいて寝る。
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   ぐうたら手記
□現代の俳句は生活感情[#「生活感情」に傍点]、社会感情[#「社会感情」に傍点]を表現しなければならないことは勿論だが、それは意識的[#「意識的」に傍点]に作為的[#「作為的」に傍点]に成し遂げらるべきものではない、俳句が単に生活の断片的記録[#「生活の断
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