月二日」に二重傍線] 晴、春風しゆう/\。
ありがたいかな、うれしいかな、たよりを貰ひ、たよりをあげる。
善哉々々、鰯で一杯。
大山君に信州のそば粉と浜松の納豆をお裾分けする、かういふ到来物は私一人で私すべきものではない、みんないつしよにその友情を味ふべきである、大山君はそれを味うてくれる人、味ふに値する人だ。
何よりもわざとらしいこと[#「わざとらしいこと」に傍点]はいけない、私たちは動物的興奮[#「動物的興奮」に傍点]を捨てゝ自然的平静[#「自然的平静」に傍点]を持してゐなければいけない、しかし、……
水のやうに[#「水のやうに」に傍点]、水の流れるやうに[#「水の流れるやうに」に傍点]。
すぽりと過去をぬいだ[#「すぽりと過去をぬいだ」に傍点]、未来を忘れた[#「未来を忘れた」に傍点]、今日のここ[#「今日のここ」に傍点]、この身のこのまま極楽浄土だ[#「この身のこのまま極楽浄土だ」に傍点]。
ナムカラタンノウトラヤヤ。……
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・藪かげ椿いちりんの赤さ
・いつも貧乏でふきのとうやたらに出てくる
引越して来て木蓮咲いた
・ゆらぐ枝の芽ぶかうとして
・水音の
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