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(改作一句)
・月夜の筍を掘る
或る日或る家にて
やたらにしやべればシクラメンの赤いの白いの
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三月三十日[#「三月三十日」に二重傍線] 晴れてうららか。
ゆうぜんとして、だうぜんとして、或はぼうぜんとして、無為にして無余[#「無為にして無余」に傍点]、いろ/\の意味で。
はる/″\信州からそば粉到来、さつそく賞味した。
敗残者[#「敗残者」に傍点]としてさん/″\やつつけられる夢を見た、それはまつたく私自身の醜態だつた、私自身しか知らない、私自身にしか解らない私の正体[#「私の正体」に傍点]だつた。
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・窓から花ぐもりの煙突一本
・電線に鳥がならんですつかり春
・わかれたくないネオンライトの明滅で
[#ここで字下げ終わり]
三月三十一日[#「三月三十一日」に二重傍線] 曇、やがて晴。
身心整理[#「身心整理」に傍点]。――
転身一路、しつかりした足取でゆつくり歩め。
一転語――
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春風秋雨 五十四年
喝
一起一伏 総山頭火
[#ここで字下げ終わ
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