蕗のとうのみどりもそへてひとりの食卓
・ほろにがさもふるさとでふきのとう
藁塚のかげからもやつと蕗のとう
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二月二十二日[#「二月二十二日」に二重傍線] 雨、春時化とでもいはう、よいたよりでも来ないかな?
降る、降る、その雨を衝いて(ゴム靴はありがたいな、おもいな)街へ、――酒買ひに、でせう、――まつたく、その通り、一升借り出しました。
一杯機嫌で、うと/\してゐるところへ、敬坊来庵、久しぶりにF屋でうまい酒を飲む、それからまた例によつて二三ヶ所を泳ぎまはる、そしてI旅館に碇泊(沈没にあらず)、まことによいとろ/\[#「とろ/\」に傍点]であつた!(どろ/\[#「どろ/\」に傍点]にあらず)
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・山から水が春の音たてて流れだしてきた
・雑草あるがまま芽ぶきはじめた
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二月二十三日[#「二月二十三日」に二重傍線] 晴、まつたく春ですね。
公明正大なる朝帰り! 五臓六腑にしみわたる朝酒のほろ酔機嫌で!
雑魚を焼きつつ、造化のデリカシーにうたれ、同時に人間の残忍を考へないではゐられなかつた。
酒は酔を意識して
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