めぐつて啼きさわぐ、何だか気になる、何となく憂欝になる。
待つもの――手紙――は来ないで、待たない人――掛取――が来た、とかく世の中はかうしたもの!
宵からグウグウ(ランプに油もないので)、夜中に眼がさめて、鼠の悪趣味――どこかをたゞかぢる音――を聞いた。
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・干しならべておもひでの衣裳が赤く青く
山からけふは街の人ごみにまじらう
・地べたとぶてふてふとなり秋風
・誰かやつてくる足音が落葉
・秋のゆふべのほどよう燃えるほのほ
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十月一日[#「十月一日」に二重傍線] 晴。
国勢調査日、私もその一枚に記入した。
今年も余すところはもう三ヶ月。
花めうがが匂ふ、白百合ほど強くなくて、まことに奥床しいかをりである。
けふも鴉が身にちかく啼く。
やつと郵便が来た、Kから手紙が来たので、ほつと安心した。
払へるだけ払ひ、買へるだけ買ふ、残つたのは一銭銅貨二つ!
樹明君を招待する、――ちり[#「ちり」に傍点]で一杯。
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酒一升、 壱円
小鯛三尾、拾弐銭 青いものは樹明君持参
豆腐三丁 九銭
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ほど
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