れも水芋だとうれしいのだけれど。
小雨がふる(まつたく秋雨だ)、今日の托鉢はダメかな、お客さんにあげる御飯がないのだが。
火を燃やしつつ、いつでも火といふものを考へる、乞食はよく火を焚くといふ、火はありがたい、焚火はたまらなくなつかしいものだ。
私には銭はなくなりがちだけれど、時間はいつもたつぷりある、両方あつては勿躰ない!
すなほにつつましく[#「すなほにつつましく」に白三角傍点]、――これが、これのみが私の生き方である、生き方でなければならない。
街の子が来て、なつめをもいだ。
大根を播く、今日はまことに種蒔日和だ。
暮近く、敬治君ひよつこり来庵、渋茶をすゝりながら暫時話す、暮れてから、誘はれて(あまり気はすゝまないが、敬治君にはすまないが)、いつしよにFへ行つて飲む、ほどよく酔うて、更けて戻つた。
「その矩を踰えない[#「その矩を踰えない」に傍点]」私であつたことは何よりもうれしい[#「私であつたことは何よりもうれしい」に傍点]、私はとうとう私自身に立ちかへることが出来たのだ[#「私はとうとう私自身に立ちかへることが出来たのだ」に傍点]、私はやうやう本然の私を取りかへしたのだ[#
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