明君約をふんで来庵、お土産は餅、ボタ餅がないのが残念だつたが。
気持よく飲んで酔うて、さよなら。
今日、駅のポストまで出かけたついでに、ライスカレーを食べた、O食堂のそれは肉めし程度、さらにK食堂のそれはうまかつた、とにかく私は私の胃袋[#「私の胃袋」に傍点]に祝福をさゝげます!
一月廿八日[#「一月廿八日」に二重傍線] 晴れてあたゝか、すこし歩く。
畑仕事、すぐ労れてダメ、情ないかな。
ようねむれることは何よりのよろこびだ。
一月廿九日[#「一月廿九日」に二重傍線] 曇、冷たい、小雪ちらつく。
たよりいろ/\、うれしいうれしい。
寒い、鯖のさしみで一杯。
ちかごろの私の句作傾向はわるくないと思ふ、一日一句[#「一日一句」に傍点]でたくさんだ、その一句を磨いて磨いて磨きあげるのである、そこに私の性格があり生活があると思ふ。
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私の生き方[#「私の生き方」に白四角傍点]――(附、郵便貯金の事)
私は私が不生産的であり、隠遁的であることこと[#「こと」に「マヽ」の注記]のために苦しみ悩んでゐた、そしてやうやくかういふ信念に落ちつくことが出来た――
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