味」に傍点]をよろこぶ。
午後、樹明徃訪、そして来訪、あつさり飲んでめでたく別れる、――人生はうすみどり[#「うすみどり」に傍点]こそよけれ、だ。
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
ぐうたら手記
□自然と自我との一如境、無為安楽[#「無為安楽」に傍点]の老境。
□自己省察――自己精進――自己超克[#「自己超克」に傍点]。
□酒は高い、本は安い、酔うて軽く持つて重い、酒はうまくて本はおもしろいことはあまりに明白。
□あかるい、あたゝかい日ざし、それを浴びて味うてゐるだけでも、生きてゐることの幸福を感じる。
□雑草の心[#「雑草の心」に傍点]、それを私はうたひたい。
□個性と自我[#「個性と自我」に傍点]、個性は全のあらはれとしての個、自我は我慾の結晶、芸術に於て、個性は表現されなければならないが、自我に執着してはならない。
[#ここで字下げ終わり]
一月廿七日[#「一月廿七日」に二重傍線] 晴、そして曇。
……待つてゐる[#「待つてゐる」に傍点]……何を……待つてゐる……まづ郵便[#「郵便」に傍点]を……そして……友人を。……
偉大一升借りる、鰯十尾買ふ。
午後、樹
前へ
次へ
全186ページ中14ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング