の晩酌の下物としては足りる、私の営養不足を補うて余りあるだらう。
魚一皿、酒一本、それだけでまことにゆつたりとした気分である。
雨の音が私を一しほ落ちつかせてくれる、雨に心をうたせてゐると何ともいへない気持になる。
留守中に誰か来たやうだ、鏡が取りだしてあり、紙反古が捨てゝあり、そして障子が閉めかけてある(この障子が閉めかけてあることが、私を不快にし、その人を軽蔑せしめた!)、何とも書き残してはなかつた。
鈴虫が鳴きだした、お前はつゝましい歌手だよ。
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   ぐうたら手記
詩制作
 感動――言葉――韻律。
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 八月三十一日[#「八月三十一日」に二重傍線] 曇、微雨。

朝が待遠かつた、ぐつすり寝て眼のさめたのが早過ぎた。
たよりいろ/\、しみ/″\ありがたし。
竹の葉にばら/\雨のよろしさ。
夜具整理、女の――主婦の心持が解つた。
このごろ、御飯のうつくしさ[#「御飯のうつくしさ」に傍点]、うまさ[#「うまさ」に傍点]、ありがたさ[#「ありがたさ」に傍点]。
駅のポストまで出かけた帰途で、念珠玉草を見つけて、一茎持つて
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