」に傍点]、私は長生したくもないが、急いで死にたくもない、生きられるだけは生きて[#「生きられるだけは生きて」に傍点]、死ぬるときには死ぬる[#「死ぬるときには死ぬる」に傍点]、――それがよいではないか。
アルコール中毒、そして狭心症、どうもこれが私の死病らしい、脳溢血でころり徃生したいのが私の念願であるが、それを強要するのは我儘だ、あまり贅沢は申さぬものである。
颱風一過[#「颱風一過」に傍点]、万物寂然として存在す[#「万物寂然として存在す」に傍点]、それが今の私の心境である。
卒倒が私のデカダンを払ひのけてくれた、まことに卒倒菩薩[#「卒倒菩薩」に傍点]である。
ひとりはよろし、ひとりはさびし。
油虫よ、お前を憎んで殺さずにゐない私の得手勝手はあさましい、私はお前に対して恥ぢる。
       ×        ×        ×
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 風ふく枝の、なんとせかせか蝉のなく
 朝風の軒へのそりと蟇か
・朝風の野の花を活けて北朗の壺の水いろ
 すゞしく鉄鉢をさゝげつつ午前六時のサイレン
・あるきたいだけあるいて頭陀袋ふくれた夕月
・草のそよげば何となく人を待つて
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