いゆふべ芋の葉ひらひら
・草によこたはる胸ふかく何か巣くうて鳴くやうな
・雨にうたれてよみがへつたか人も草も
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八月十五日[#「八月十五日」に二重傍線] 晴、涼しい、新秋来だ。
徹夜また徹夜、やうやくにして身辺整理をはじめることができた。
五十四才にして五十四年の非を知る[#「五十四才にして五十四年の非を知る」に傍点]。
憔悴枯槁せる自己を観る。
遠く蜩が鳴く。
風が吹く、蒼茫として暮れる。
くつわ虫が鳴きだした。
胸が切ない(肺炎の時は痛かつた)、狭心症の発作であるさうな、そして心臓痲痺の前兆でもあるさうな(私は脳溢血を欣求してゐるが、事実はなか/\皮肉である)。
灯すものはなくなつたが、月があかるい。
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徹夜不眠
・ほつと夜明けの風鈴が鳴りだした
ずつと青葉の暮れかゝる街の灯ともる
・遠く人のこひしうて夜蝉の鳴く
・踊大鼓も澄んでくる月のまんまるな
・月のあかるさがうらもおもてもきりぎりす
・月あかりが日のいろに蝉やきりぎりすや
米田雄郎氏に、病中一句
・一章読んでは腹《おなか》に伏せる「青天人」の感触
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