一節である。
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正しくいへば、卒倒でなくして自殺未遂[#「自殺未遂」に傍点]であつた。
私はSへの手紙、Kへの手紙の中にウソを書いた、許してくれ、なんぼ私でも自殺する前に、不義理な借金の一部分だけなりとも私自身で清算したいから、よろしく送金を頼む、とは書きえなかつたのである。
とにかく生も死もなくなつた、多量過ぎたカルモチンに酔つぱらつて、私は無意識裡にあばれつつ、それを吐きだしたのである。
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断崖に衝きあたつた私だつた、そして手を撒[#「撒」に「マヽ」の注記]して絶後に蘇つた私だつた。
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死に直面して[#「死に直面して」は罫囲み]
「死をうたふ[#「死をうたふ」に傍点]」と題して前書を附し、第二日曜[#「第二日曜」に傍点]へ寄稿。
・死んでしまへば、雑草雨ふる
・死ぬる薬を掌に、かゞやく青葉
・死がせまつてくる炎天
・死をまへにして涼しい風
・風鈴の鳴るさへ死はしのびよる
・ふと死の誘惑が星がまたたく
・死のすがたのまざまざ見えて天の川
・傷《キズ》が癒えゆく秋めいた風となつて吹く
・おもひおくことはな
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