啼く。
秋もをはりの冬ちかしといふ感じ。
身心の調子よろし。
△裏の菜畑は私の花園だ[#「裏の菜畑は私の花園だ」に傍点]。
△物を粗末にするな、大根のしつぽでも大切にせよ、物を殺すな、たとへ木切でも生かして使へ。
物を生かしてゆくところに生活の味[#「生活の味」に傍点]がある。
よいお天気になつた、宮市の天神祭万歳だ、よし、私も参詣しよう。
一時の汽車で出かける、宮市はお祭気分があふれてゐる。
そこの一木一石みなおもひでの種だ、宮市は私の故郷の故郷[#「故郷の故郷」に傍点]である。
裸坊――それは天神祭独特の、宮市名物――が右徃左徃する、しかし昔ほど盛んでない。
粟の岩[#「岩」に「マヽ」の注記]、焼栗、メリヤス、うどんそば、密[#「密」に「マヽ」の注記]柑、等々の店の間を人にもまれて歩く、天満宮に参拝して、いろ/\の見世物小屋の間をくゞつて、お山で休む、酒垂山は天然の公園だ、一歩一歩に少年時代の夢がよみがへる、あゝ時は過ぎ行く、過去はなつかしい、あの頃の私は……
霊台寺に詣でる、山茶花がうつくしい、饅頭を買うて食べる、これも少年時代の私をおもひださせる。
新橋の方へ行く、途中、大行司
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