がへりのゆふ闇ただよふ
 すつかり柿の葉は落ちて遠く灯つた
   病中さらに一句
・ひとり寝てゐるわらやしたしくしづくする(松)
 身のまはりかたづけてすわる私もよい人であらう
・柿をもぐ父と子とうへしたでよびかはし
・水たたへたればいちはやく櫨はもみづりて
・実ばかりの柿の木のなんとほがらかな空
・雑草みのつて枯れてゆくその中に住む
 めづらしく人のけはひは木の実ひらふこゑ
・やつと汲みあげる水の秋ふかく
・ひよいと手がでて木の実をつかんだ
 大根いつぽんぬいてきてたべてそれでおしまい

  (改作)
山あれば山を観る
雨の日は雨を聴く
春夏秋冬
物みなよろし
[#ここで字下げ終わり]

 十一月十五日[#「十一月十五日」に二重傍線] まことによいお天気、しつかり冷たくなつた。

日向で読書[#「日向で読書」に傍点]、もつたいないなあと思ふ。
酒――句――死、この三つが私の昨日までの生活を織り成してゐた。
――酒亦酒哉茶亦茶[#「酒亦酒哉茶亦茶」に傍点]――といふ語句が足利時代の酒茶論といふ本にあるさうな。
新菊第二回播種。
Sさん母子が乳母車を押して柿もぎに来た、柿は日本家庭的なも
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