はそれを思ひ出す毎に、私の修養の到らないのを恥ぢないではゐられない、私はかうしかいへない、――殺すべき[#「べき」に傍点]時には殺すがよろしく候、――このべく[#「べく」に傍点]がいけない、それは嘘ではないけれど、小主観の言葉だ、自殺、自決、自裁といふやうなことを考へないで、さういふ独善的な潔癖を抛擲して、死ぬるまで死なないでゐる、生きられるだけ生きたい、生も死も忘却して是非を超越した心境にまで磨きあげなければならないと思ふ。
酒と句と、句と酒と。……
○私は遂に木の実をほんたうに味はひ得なかつた、もう歯がぬけてなくなつてしまつた、どうすることも出来ない、もつとも、耳で[#「耳で」に傍点]、眼で[#「眼で」に傍点]、手で木の実を味ふ[#「手で木の実を味ふ」に傍点]ことは出来るけれど。……
夜は斎藤さんから今朝頂戴した『はてしなく歩む』に読みふけつた、私は当然必然、今春の私の旅、そして来春の私の旅を考へながら。
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・落葉ふかく水くめば水の澄みやう(雑)
・雨の落葉の足音は郵便やさんか
病中
・寝たり起きたり落葉する(松)
・煮えるにほひの、焼けるにほひの、野良
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