、小鳥が山から出て遊ぶ。
朝、樹明来庵、昨夜の残りの酒を飲む。
お茶漬さら/\、樹明おくるところの辛子漬で。
ぬけさうでぬけなかつた歯がぬけた、ほつとしたさびしさを味ふ、もう堅いものは食べられない、食べものの味がなくなつた、噛まなければ、噛みしめなければ物の味は出てこない、幸にして酒は液体、そして別物だ、流動のなかに酒のうまさはある。……
午後散歩、折から女学校の運動会、ちよつと見物、ぶら/\帰つてくると、女客が二人、縁に腰かけて待つてゐられた、TさんSさんといふ、何も話すことはないので、私の心境について話した。
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・山のぬくさはりんだうひらく
酒を買ふとて踏んでゆく落葉鳴ります
・藪のむかうまで夕日のつばふ[#「ばふ」に「マヽ」の注記]き
・なんぼう考へてもおんなじことの落葉をあるく
・そこに夕月をおき枇杷は花もつ(雑)
・冬夜むきあへるをとことをんなの存在
・木の葉ふるところ眼をとぢるとき
[#ここで字下げ終わり]
十一月十二日[#「十一月十二日」に二重傍線]
まことに日本晴、あまり晴れすぎたからか、夕方から曇。
秋のよろしさ、田園のよろしさ、独居のよ
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