時に起きる、おさんはつらいね!
今日も秋雨、わるくないけれど、すこしくどいね。
○麦飯のききめ、驚くべきものがある。
○尊ぶ[#「尊ぶ」に傍点]と惜しむ[#「惜しむ」に傍点]とは違ふ、もつたいないもいやしいから[#「もつたいないもいやしいから」に傍点]、とと[#「と」に「マヽ」の注記]諺が意味ふかい。
○コク[#「コク」に傍点]とアク[#「アク」に傍点]、この差違も考へなければならない、コクは物そのものの味はひであるが、アクは残滓的遺物だ。
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不眠と不昧と、そして転向。
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○茶の花が咲きだした、茶の木に茶の花[#「茶の木に茶の花」に傍点]。
○音[#「音」に傍点]と声[#「声」に傍点]、陰影――濃淡、明暗、強弱。
○酔ひたい酒は呪ふべし、味ふ酒は讃ふべし。
秋がふかうなる――ソデナシを着てゐてもうそ寒い――雨が落葉をたゝいて虫がないてゐる。――
ヒマはありすぎるほどあるのに余裕[#「余裕」に傍点]がないとは!
酔つぱらつてどろ/\、樹明君も酔つぱらつてどろ/\になつてきた。……
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・死にたい草の枯れようとして
・秋蝿、
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