た樹
・秋草ふみつつかりそめの犬とあとさき
・月夜の柿がばたりぽとり(改作)
・木の葉ちるや犬もわたしもおどろきやすく
・サイレン鳴ればさびしい犬なればほえ
・ヱスもわたしもさびしがる月のこうろぎも
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九月廿四日[#「九月廿四日」に二重傍線]
秋晴、秋季皇霊祭。
掃く、拭く、障子のやぶれをつくらふ。
黎々火君を未明の汽車に、樹明君は腹工合がいけなくて頭があがらない。
ヱスも私も昨日の御馳走のおあまりを頂戴する。
Sはさびしい犬だ、あまりにつつましくおとなしい、何だかあはれつぽい犬ではある。
樹明君やうやく起きて、昼飯をたべて帰つてゆく。
このしづかさは(さびしさではない)どうだ!
今夜もまた眠れないらしい、不眠は何よりも苦しい、不眠がつづくと自殺したくなる。……
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・柿の葉や実やおしみなくふる
・みごもつていそがしい虫でまさに秋風
・お彼岸花もをはりのいろのきたない雨
・ヱスもわたしも腹をへらして高い空
[#ここで字下げ終わり]
△糸瓜(随筆)
△犬と遊ぶ(雑文)
九月廿五日[#「九月廿五日」に二重傍線]
晴、曇、そして雨、私の
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