くも死にたくもなかつた、生きてゐてもよく死んでしまつてもわるくなかつた、――生きてゐたくなくなつた、――死んでしまひたくなつた、――それは自然的推移、必然的変化ではあるまいか。――
△事物の破壊から自己の破壊へ!
       ……………………………………………………………………
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・筍あんなに伸びて朝月のある空へ
・いつも鳴る風鈴で夏らしう鳴り
・晴れて朝から雀らのおしやべりも(改作)
・糸瓜の蔓がこゝまで筍があつた
・空ラ梅雨のゆふ風や筍はしづくして
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 七月一日[#「七月一日」に二重傍線]

晴、つゝましくすなほな生活[#「つゝましくすなほな生活」に傍点]を誓ふ。
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こゝろあらためて七月朔日の朝露を踏む
[#ここで字下げ終わり]
△筍を観てゐると、それを押し出す土の力と、伸びあがるそれ自身の力とを感じる。
△ウソからホントウの自殺[#「ウソからホントウの自殺」に傍点]へ――彼は酔うて浪費つ[#「つ」に「マヽ」の注記]て、毒をのんだとウソをいつたが、とう/\ホントウに服毒しなければならなくなつた、そして死んだので
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