つかける、湯町の朝酒はまことにまことによろし。
淡々君の財布が軽くなつたらしい(私は財布を持つてゐないし、持つてゐても重い日のあつたことなし)、十時のバスで小郡駅まで、そこで私は眠り、君は去つた。
耕三さんは昨夜よく庵で寝てくれたらしい、酒と米とが置いてあつた、ありがたすぎて、あまりにすまなくて。……
さつそく飲む、食べる、そして寝る、あゝ、庵中極楽。
寝た、寝た、ぐつすりねむれた、労れて、ぐつたりして。
酒と女、人間と性慾――こんな問題が考へられてならなかつた。
女よりも酒[#「女よりも酒」に傍点]、酒よりも本[#「酒よりも本」に傍点]、――それが本音だ、私の、今の。
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・風をおきあがる草の蛇いちご
・鳴きつつ呑まれつつ蛙が蛇に
・雨をたたへてあふるるにういて柿の花
・霽れててふてふ二つとなり三つとなり
・いつでも植ゑられる水田蛙なく
・夏めいた空がはつきりとあふれる水
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『性[#「性」に白三角傍点]慾と[#「と」に白三角傍点]いふ[#「ふ」に白三角傍点]もの[#「の」に白三角傍点]』
性慾といふものは怪物である。
人間が生きてゐる
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