いつしよにあそぶ
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六月三日[#「六月三日」に二重傍線]
霽れてゆく空や野や、雨後の朝景色はさわやかである。
野菜畑がいき/\としてきた。……
とても好い、そして暑いお天気になつた。
めうが一茎をぬすんできてたべる、めうがのかをりはよい。
T子さんがメカシて来た、今から掛取にゆくといふ、料理屋のカケがうまくとれるやうになれば、立派な一人前だ。
淡々君を待つ、今日来庵の通知があつたので、――もう、日が暮れるのに来てくれない、待ちきれなくなつて、学校に樹明君を訪れる(今日は宿直なのだ)、病状すぐれないと見えて欠勤、Cへ行つて酒一杯(四日目のアルコール注入だ)、ほろ/\として帰つてくると来客、来客――淡々君、そして耕三君。
暫らく会談、それから街へ、淡々君と私とはバスで湯田へ、耕三君は庵へ(どちらがお客だかわからない、そこが其中庵の其中庵たるところかもわからない!)。
湯田では飲んだ、飲んだばかりでなくフラウといつしよに寝た、しかし幸にして、或は不幸にして一夜だけの童貞であり、処女でありました!
六月四日[#「六月四日」に二重傍線]
朝早く一杯浴びて一杯ひ
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