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自[#「自」に白三角傍点]殺に[#「に」に白三角傍点]ついて[#「て」に白三角傍点] (安心決定とは)
自殺は人間の特徴だといふ、同時に特権[#「特権」に傍点]でもあると思ふ。
自殺者は必ずしも生死透脱底の人ぢやない、否、寧ろ生死の奴隷が多い、しかし自殺は一大事であるには相違ない。
死にたくて死ぬる人もあらう、死にたくなくて死ぬる人もあらう、死にたくもなく、死にたくなくもなくて死ぬる人もないことはなからう。
ほがらかな自殺、幸福な自殺者、それは第三者には到底理解されない心境であり体験であると、私は考へる。
自殺の方法、それは自殺者に任したがよい。
自殺者の手記、それは最も下手糞な文芸作品だらう。
天も白く地も白く、そして人も白く光る、白光は死である、死の生[#「死の生」に傍点]である(死の生[#「死の生」に傍点]ではあるが、生の死[#「生の死」に傍点]ではない)。
┌存在
生命│生存
└生活
生死去来
行│遊行
乞│苦行
句│難行
作│易行
独り遊ぶ
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