の花はおもしろい。
蛇には親しめない、により[#「により」に傍点]と出てきてぎよつ[#「ぎよつ」に傍点]とさせる。
遊びすぎた、ちと勉強しよう。
夕方樹明来、今日はどうしても飲ましてくれといふ、からだのぐあいがわるくて酒でものまなければやりきれないといふ、すこし買うてきて飲む、彼もうまくないといふ、私もうまくない、何といつても健康第一ですよ。
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寒山の路、拾得の箒
△酒も水もない世界、善悪、彼我、是非、利害のない世界、個も全もない世界。
それが極楽であり浄土である、いはゆる彼岸である。
水を酒とするのでなくて、酒が水となつた境地だ、酒は酒、水は水だけれど、酒と水とにとらへられない境涯、酒と水とに執しない生活だ。
こゝから、俳句、私の欣求する俳句は出てくる、私はさういふ俳句を作らうと念じてゐる。
個から出発して全に到達する道である、個を窮めて全を発見する道である。
我心如秋月――と寒山拾得は月を見て笑つてゐる。
[#ここで字下げ終わり]
六月一日[#「六月一日」に二重傍線]
曇、糸瓜を植ゑる、おもての入口に、うらの窓の下に。
入浴、髯を剃る。
△放下着の
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