せん、云々。
[#ここで字下げ終わり]
T子さんが卵を持つて、樹明君が魚を持つて来た、四人で飲んだり食べたり、寝たり、饒舌つたり。
黎々火君が草をぬき土をうつてくれた、樹明君が苗を植ゑてくれた、これで茄子も胡瓜も十分だ。
暮れてみんな帰つていつた、まことによい一日だつた。
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改作追加
・藪かげほのと藪蘭の花かな
・いつもつながれて吠えるほかない犬です
・木の芽草の芽いそがしい旅の雨ふる
・からりと晴れて枯木なんぼでもひろへるよ[#「よ」に「朝」の注記]
・もう秋風の、腹立つてゐるかまきり
発表できない句!(或る時機がくるまでは)
・死ねる薬はふところにある日向ぼつこ(再録)
[#ここで字下げ終わり]
五月十四日[#「五月十四日」に二重傍線]
寝た、寝た、九時から四時までぐつすりと寝た。
申分のないお天気だ、うらむらくは私の身心がよくない。
風呂へ行く、五月野をよこぎつて。
トマトを植ゑる準備、草取、肥汲。
雑草のうつくしさよ、私は雑草をうたはずにはゐられない。
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・道がひろくて山のみどりへまつすぐ
・けふ播いた苗代へあかるい
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