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星城子君我儘不出勤、自から称して禄盗人といふ、いつしよにぶらぶら歩いて到津遊園鑑賞。
動物園はおもしろい、獅子、虎、熊、孔雀、兎、鶴、等々には好感が持てるが、狐、狸、猿、鸚鵡、等々には好感が持てない、殊に狐は悪感をよぶばかりだ。
七面鳥はおしやれ、鳩はさびしがりや、鶴はブルヂヨア、いやさインテリゲンチヤ、鸚鵡はどうした、考深さうに首をかしげてゐる!
総じて、獣よりも鳥が好き、人間は人間にヨリ遠いものほど反感をうすらげますね。
星城子なげくところの犬の墓を見た。
顔は生活気分を表象する[#「顔は生活気分を表象する」に傍点]、私の顔の変化についての、星城子君の言説は首肯する。
ちよつと四有三居訪問、「一即二」の額がまづ眼についた、井師がよく出てゐる。
それから小城さんの白雲閣を襲ふ、赤ん坊が生れてゐる、おめでたい、主人がすゝめられるまゝに、二階で飲む、牛肉がうまいやうに芋がらもうまかつた、酒のうまさは握飯のそれに匹敵した。
星城子君は飲めないから飲まない、山頭火君は飲めるから飲む、などゝ、小城さん思つたかどうだか。……
暮れてお暇乞する、次良さんの事を話しながら戻つた、二[#「二」に「
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