いといつた風に!
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・食べもの食べつくし旅へでる春霜
・これから旅も春風のゆけるところまで
・春がきた水音のそれからそれへあるく
・梅もどき赤くて機嫌のよい頬白目白
・こゝからは長門の国の松葉ふる
・誰もゐない筧の水のあふれる落葉
・岩を白う岩から寒い水は走る
・こゝで泊らうどの家も餅がほしてある(改作)
春が来たぞな更けてレコードもをんなの肉声
追加二句
・灯つてまたたいてあれはをなごや
・春寒いをなごやのをんなが一銭持つて出てくれた
[#ここで字下げ終わり]
二月二十日[#「二月二十日」に二重傍線]
五時すぎにはもう起きた、お雑煮はいつでもおいしい、お辨当まで貰つて、いつしよに出立、朝ぐもりの寒さだ。
黎君は汽車で局へ出勤、私は海岸線を下関へ。
関門風景はよろしい、なつかしい、ゆつくりと歩く、ぼつり/\句もできる、おもひでの感慨多少。
長府はまことにおつとりとした遊園地だ、享楽場ではないが、とにかく、ブルヂヨアの土地だ、プロレタリヤの土地でもあるが。
下関へ着いたのは九時だつた、唐戸市場を見物[#「見物」に傍点]する、どうしても行乞気分になれない
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