十六日午後)
・野辺のおくりのすすきはよろしいかな
・南無阿弥陀仏もう鴉がきてゐる
墓石に帽子をのせ南無阿弥陀仏
・これが一生のをはりの、鴉と子供
人を葬るところ梅の花
・墓場へみちびくみちの落葉鳴らしゆく
落ちてそのまゝ芽生えた枇杷に枇杷
・ぼんやりをればのぞいては啼くはひたたき
・さびしさのはてのみちは藪椿
・風に木の葉のさわがしいさうろうとしてゆく
・夜ふけの餅のうまさがこんがりふくれ
・枯れたすゝきに日が照る誰かこないかな
黎々火君に秋田蕗二句
蕗の芽もあんたのこゝろ
・あんたのこゝろがひろがつて蕗の葉
[#ここで字下げ終わり]
二月十七日[#「二月十七日」に二重傍線]
あたゝかい、雨が近いらしい、九州行が困らないやうに。
朝、樹明来、昨夜の酔態を気にかけてゐる、酔うて乱れないやうにならなければ[#「酔うて乱れないやうにならなければ」に傍点]、人間は駄目[#「人間は駄目」に傍点]、生活も駄目だ[#「生活も駄目だ」に傍点]。
身心ぼんやり、大風一過の気分、凝心[#「凝心」に傍点]ばかりではいけない、私は放心を味ふ[#「放心を味ふ」に傍点]、いや楽しむ[#「いや
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