に於て、ありたいこと[#「ありたいこと」に傍点]、あらねばならないこと[#「あらねばならないこと」に傍点]、あらずにはゐられないこと[#「あらずにはゐられないこと」に傍点]、それは芸術家の真実であり、制作の内容となるのである。
内容[#「内容」に傍点]は形式[#「形式」に傍点]を規定する、同時に、形式も内容を規定する、しかし、私は内容が形式を規定する芸術を制作したい。
俳句的内容を持つて俳句的形式を活かす俳人[#「俳句的内容を持つて俳句的形式を活かす俳人」に傍点]でありたいのである。
高くして強き感情[#「高くして強き感情」に傍点]、何物をも――自己をも燃焼せしめずにはおかないほどの感情、その感情から芸術――詩は生れる、自己燃焼がやがて自己表現である[#「自己燃焼がやがて自己表現である」に傍点]。
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・お正月の小鳥がうたひつつうたれた
・お正月も降つたり照つたり畑を打つ
・降つては晴れる土にこやしをあたへる
木の実があつて鳥がゐて山がしづけく
・竹をきる風がふきだした
風ふく日かなほころびを縫ふ
・いちはやく伸びて咲いたるなづなであつた
・握りあはした手に手の
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