である、花はたいがいさうだけれど。
ハムばかり食べてゐる、まるで豚の春[#「豚の春」に傍点]だ。
舌皷を食べた(これは山口名物、これも樹明君のお裾分)。
[#ここから2字下げ]
・暮れきらないほの白いのは水仙の花
・陽がさせば水仙はほつかりひらき
・とろ/\とける『舌皷』の春ですね
・水のいろも春めいたいもりいつぴき(再録)
・水仙こちらむいてみんなひらいた
・あたゝかく虫がきて夜の障子をたゝく
 すつかり春らしく家々のけむり
・地べた日向をころげて落葉
・焚火あたゝかく風さわぐ
[#ここで字下げ終わり]

 二月廿六日[#「二月廿六日」に二重傍線]

寒い雪がちらほらしたが、どうやら晴れさうだ。
昨日も今日もよい手紙が来ない、軽い失望。
ハム、飴――なか/\の御馳走だ。
樹明君がめづらしく山ゆき姿で来た、ルンペンのやうでもあり、ギヤングのやうでもあるが、樹明はやつぱり樹明だ。
けふも暮れたか[#「けふも暮れたか」に傍点]、の嘆。

 二月廿七日[#「二月廿七日」に二重傍線]

寒い、寒い、こんな日はとても出かけられない、出かけたくないのを無理に出かけるよりも、ぢつとしてゐる方がよい、
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