字下げ]
・大根洗ふ指がおしへてくれる道は霜どけ
・麦飯が腹いつぱいの日向ぼつこり
・おちつくまゝに水仙のひらく
・歪んで日向の花つけた梅のよろしさ
・考へるでもなく考へぬでもなく大根洗ひつゝ
・電燈ひとつ人間ひとり
節分三句
・さそはれてまゐる節分の月がまうへに
・月がまうへに年越の鐘が鳴る鳴る
・節分の長い石段をいつしよにのぼる
・どこかに月が、霜がふる白い道
・ふけて炊かねばならない煙がさむい
・枯野まつすぐにくる犬の尾をふつて
・そこらに大根ぶらさげることも我が家らしく
・遠い道の轍のあとの凍つてゐる
・たま/\来てくれて夕月のある空も(再録)
[#ここで字下げ終わり]
二月四日[#「二月四日」に二重傍線] 立春。
すこし夜の雪がつんでゐる、寒いことは寒いが、大したことはあるまい。
たよりいろ/\――俊和尚、孝志君、緑平老、敬治坊、そして雑草二月号。
下痢で弱つた、酒のためか、寝冷のためか、それとも麦飯のためか、とにかく腹工合も悪いし、懐工合はなほさらよくないし、節食断酒[#「節食断酒」に傍点]の好機である、しばらくさうしよう。
△昨夜、樹明君と立ち寄つたおぢさんの
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