があつまるといふよりも、缺点のある人格者に友が出来るといふ方が、ヨリ痛切であらう。
他人――殊にそれが友達、殊に殊に親友――の缺陥を見せられた場合の悲痛は自分のさうした場合よりも強い。
雑草、雑木、雑魚、雑兵、等、等、――私は雑[#「雑」に白三角傍点]といふ字のつく物事に、限りない親しみと喜びとを感じる。
学校から帰宅の途次、樹明君が寄つてくれた、誘はれて八幡宮の節分祭へ参詣する約束をした。
夕飯は煮大根(正しくいへば、焦げつかせたので、焼大根)で麦飯茶漬さら/\さら、まことに簡にして純。
数日来、風邪気味なので、着れるだけ、あるだけ着て出かける、なか/\の人出である、自動車が遠慮ぶかく乗り捨てゝある風景にも近代的地方味がある。
樹明君と合して、こゝで一杯、そこで一杯、そして私はぐる/\まはつて戻つた(この中に無意味の有意味[#「無意味の有意味」に傍点]がひそむ)。
逢はない彼女[#「逢はない彼女」に傍点]、知らない恋人[#「知らない恋人」に傍点]、何が何だか分らないのよ[#「何が何だか分らないのよ」に傍点]、といふものについて漫想した(漫想といふ言葉はどうですか!)。
[#ここから2
前へ
次へ
全86ページ中45ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング