・右は酒屋へみちびくみちで枯すゝき
・いつも尿するあとが霜ばしら
・何だか死にさうな遠山の雪
 障子に冬日影の、郵便屋さんを待つてゐる
・ようできたちしやの葉や霜のふりざま
・ついそこまでみそつちよがきてゐるくもり
 倒れさうな垣もそのまゝ雪のふる
・地下足袋おもたく山の土つけてきてゐる
[#ここで字下げ終わり]

 二月一日[#「二月一日」に二重傍線]

雪もよひ、ひとりをたのしむ[#「ひとりをたのしむ」に傍点]。
△年はとつてもよい、年よりにはなりたくない(こんな意味の言葉をゲーテが吐いたさうだ)、私は年こそとつたが、まだ/\年寄にはなつてゐないつもりだ!
△本来の愚を守つて愚に徹す、愚に生きる外なし、愚を活かす外なし。
依頼心が多い、――この言葉ほど私の心を鋭く刺したものは近来になかつた、ああ。
△自然即入。
△生も死も去来も、それはすべていのち[#「いのち」に傍点]だ。有無にとらはれて、いのちを別扱にするなかれ。
[#ここから2字下げ]
 また雪となり、大根もらつた
 くもりおもくて竹の葉のゆれてな[#「な」に「マヽ」の注記]る
・影が水を渡る
 影もならんでふむ土の凍てゝゐ
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