げ終わり]
一月二日[#「一月二日」に二重傍線]
今夜は樹明君といつしよに飲みあるき踊りつゞけた、あゝ何と酒がうまくて、何と踊のかなしかつたこと!
山手閑居。
一月三日[#「一月三日」に二重傍線]
今日は樹明君、敬治君と三人で遊んだ、遊びつかれて、夜おそく帰つてきた。
私はひとりで涙を流して笑つた、そしてこん/\として睡つた、天国の夢も地獄の夢も見なかつた。
一月四日[#「一月四日」に二重傍線]
曇、お正月もすんだ、すべてが流れてゆく。
アルコールのない、同時にウソのない一日だつた。
[#ここから2字下げ]
茶の花やお正月の雨がしみ/″\
・お正月の鉄鉢を鳴らす
[#ここで字下げ終わり]
また/\人が来て金《カネ》の話をしていつた。
一月五日[#「一月五日」に二重傍線]
雨、寒い、そして静かだ。
夕方、樹明君がきてくれた、そしておとなしく帰つていつた、大出来、々々々。
米がないから餅を食べる。
夜の雨はよかつた、閑寂そのものゝやうだつた。
一月六日[#「一月六日」に二重傍線]
小寒入、時雨。
雨を聴きつゝ、完全に自分を取り戻した。
△乞食になつて、乞食に
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