たりしてばかりゐるではないか、雑草に恥ぢろ、頭を下げろ。
△恥のない、悔のない生活、ムリのない、ムラのない生活。
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 落葉するだけ落葉して濡れてゐる
・よごれものは雨があらつてくれた
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 一月十三日[#「一月十三日」に二重傍線]

ぐつすり寝た、大安眠だつた、これならば大往生も疑ない。
しづかな、あたゝかい寝床を持つてゐるといふことは何といふ幸福であらう(こゝで改めてまた樹明君に感謝する)。
小雪ちらほら、寒くて冷たいが、お天気はよくなりさうだ。
幸雄さんからあたゝかい手紙、あたゝかすぎる手紙がきた。
するめをちぎつてはしようちゆういつぱい、人間ほどヱゴの動物はないと思ふ。
それから街へ出かけてワヤ、たゞし小ワヤ。
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  今日の買物
一金九銭    ハガキ六枚
           ┌バツト一
一金十一銭   タバコ│
           └なでしこ一
一金七銭    醤油二合
一金弐十弐銭  焼酎二合
一金四十八銭  白米二升
  合計金九拾七銭也
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 一月十四日[#「一月十四日」に二重
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