躍」に傍点]がなければならない。
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・あてもなくあるけば月がついてくる
・月も林をさまよふてゐた
[#ここで字下げ終わり]
夜、菜葉粥[#「菜葉粥」に傍点]をこしらへて食べた、それでだいぶ身心がなごんだ。
買物――昨日の買物をつけてをく。
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一、 九銭 ハガキ六枚 一、 十銭 湯札四枚
一、十二銭 昆布五十目 一、二十三銭 日和下駄一足
一、二十銭 焼酎二合 一、 七銭 バツト一ツ
〆金 八十一銭
外にワヤ代(冬村君の保證によつて懸)
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□
・こゝろおちつかず塩昆布を煮る
・さみしさへしぶい茶をそゝぐ
[#ここで字下げ終わり]
長い、長い一夜だつた、展転反側とはこれだらう、あれを思ひこれを考へる、ガランとして、そしてうづまくものがあつた。……
十月十八日
曇、やつと平静をとりもどした、お観音さまの御命日なので普門品読誦、胸がいたい、罰だ、みんな自業自得だ、いつさいがつさい投げだして清算しよう、さうするより外に私の復活する方法はない。
郵便がきた、新聞が
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