たより。
街へ出かけた、いろ/\の買物、そしてとう/\またわや[#「わや」に傍点]になつた、Tさんの店で、Kさんの店で。
買物をさげてかへる、樹明兄が山口からの帰途を立寄つた、酒と魚とを持つて。
酔うて寝てゐた、樹明兄が敷いてくれた寝床のなかに! ぐつすり寝た。
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・隣も咳入つてゐる柿落葉
ひとり住めば木の葉ちるばかり
住みなれて茶の花さいた
・みほとけのかげわたしのかげの夜をまもる
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┌雨ふるふるさとは――┐
│灯かげ日かげ―― │
└ 日かげ二句 ┘
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我昔所造諸惑[#「惑」に「マヽ」の注記]業
皆由無始貪瞋癡
従身口意之所生
一切我今皆懺悔
衆生無辺誓願度
煩悩無尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成
自帰依仏 当願衆生 体解大道 発無上心
自帰依法 当願衆生 深入経蔵 智慧如海
自帰依僧 当願衆生 統理大衆 一切無礙
[#ここで字下げ終わり]
十月九日
晴、昨日の今日だから身心がすぐれない、朝寝して残酒残肴を片付けてゐたら、六時のサイレンが鳴りだした。
即今の這是[#「即今の這是」に傍点
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