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□一人一隅[#「一人一隅」に傍点]、そこに陣取って、それぞれの荷物を始末する。
□めいめいのおはち[#「めいめいのおはち」に傍点]を枕許に(人々の御飯)。
□一室数人一鉢数人一燈数人。
□安宿で困るのは、便所のきたなさ、食器のきたなさ、夜具のきたなさ、虱《ムシ》のきたなさ、等々であろう。
○安宿に泊る人はたいがい真裸[#「真裸」に傍点](大部分はそうである)である、虱がとりつくのを避けるためである、夏はともかく冬はその道の修行が積んでいないとなかなかである(もっとも九州の或る地方のようにそういう慣習があるところの人々は別として)。
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(夕食)        (朝食)
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莢豆と芋との煮付    味噌汁二杯
南瓜の煮付       大根漬
大根浅漬
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御飯もお茶もたっぷり  たっぷり

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犬二題
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□四国の犬で遍路に吠えたてるとは認識不足[#「認識不足」に傍点]
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