もいよ/\新らしい最初の一歩(それは思想的には古臭い最後の一歩)を踏みだしますよ、酒から茶へ[#「酒から茶へ」に傍点]――草庵一風の茶味といつたやうな物へ――山を水を月を生きてゐるかぎりは観じ味はつて――とにもかくにも過去一切を清算します。……
[#ここで字下げ終わり]
また買物、即ち、バケツ、ゴマイリ、ゴトク、ヒバシ、等、等、一人でも世帯は世帯、一世帯としてのあれやこれやが苦労する、それも誰ゆえ、みんな私自身ゆえ!
酒飲みに酒が飲めなくなり、放浪者が放浪をやめると、それはもう生命がなくなるのではあるまいか。
警戒せよ、石古祖《イシゴソ》(私に残された墓地)が近いぞ。
酒飲みは酒飲めよ、酒は甘露だ、涙でもなければ溜息でもない、さうだ、酒は酒だ、飲めば酔ふのだ。
樹明兄に連れられて、山麓の廃屋[#「山麓の廃屋」に傍点]を見るべく出かけた、夏草ぼう/\と伸びるだけ伸んでゐるところに、その家はあつた、気にいつた、何となく庵らしい草葺の破宅である、村では最も奥にある、これならば『其中庵』の標札をかけても不調和なところはない、殊に電燈装置があつたのは、あんまり都合がよすぎるよ。
帰途、冷たいビー
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