づい字[#「まづい字」に傍点]だらう、まづいのはいゝ、何といふいやしい字[#「いやしい字」に傍点]だらう。
うれしいこゝろがしづむ[#「うれしいこゝろがしづむ」に傍点]、晴れて曇る!

 八月十五日

何といふ苦しい立場だらう、仏に対して、友に対して、私自身に対して。
やつぱりムリ[#「ムリ」に白三角傍点]があるのだ、そのムリ[#「ムリ」に白三角傍点]をとりのぞけば壊滅だ、あゝ、ムリ[#「ムリ」に白三角傍点]か、ムリ[#「ムリ」に白三角傍点]か、そのムリは私のすべてをつらぬいてながれてゐるのだ、造庵がムリ[#「ムリ」に白三角傍点]なのぢやない、生存そのものがムリ[#「ムリ」に白三角傍点]なのだ。
茗荷の子を食べる、かなしいうまさだつた。

 八月十六日

いよ/\秋だ、友はまだ来てくれない、私はいはゆる『昏沈』の状態に陥りつゝあるやうだ。
待つてゐる物が――それがなければ造庵にとりかゝれない物が来ない。
今日もやつぱり待ちぼけだつたのか。
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・虫が鳴く一人になりきつた
・けさも青柿一つ落ちてゐて
[#ここで字下げ終わり]

 八月十七日

やつぱりいけない、捨鉢気
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